洋食歴20年の料理人hiroです。信田(しのだ)煮とは油揚げを使った煮物で大阪の和泉市が発祥と言われています。今回は、サッと炒め煮できる根菜と合わせ、手短にできる信田煮です。出汁を含めるもので、煮汁に浸かっていると日持ちして、作っておくと便利な副菜となっています。それでは早速作っていきましょう。
信田煮の材料(4人前)
具材
油揚げ | 1枚(60g) | |
大根 | 400g | |
人参 | 1/2本 | |
ほうれん草 | 1パック |
調味料
ごま油 | 大さじ2 | |
和風顆粒出汁 | 大さじ1 | |
みりん | 大さじ3 | |
薄口醤油 | 大さじ3 | |
上白糖 | 大さじ1/2 | |
塩 | 適量 | |
水 | 500mℓ |
信田煮の作り方(1分動画で早回し解説)
信田煮の作り方
油揚げの油抜きをしておこう
バットに油揚げを置いて、熱湯をかけておきます。余分な油が取れて、あっさりとした仕上がりとなります。「油抜き」をしておくと、コーティングされた油が抜けて、味が染み込みやすくなります。和食の調理法です。
ほうれん草を湯がこう
たっぷりの鍋に0.5%の塩を加えます。例えば2ℓのお湯なら、10gの塩です。ほうれん草などの青みは下味がつくだけでなく、緑の発色が良くなります。
事前に水洗いしておいたほうれん草は茎の部分から立てるように沈めて…
あとは、ゆっくりと葉の部分を寝かせるだけ。サッと茹でる程度でOKです。
氷水に取ろう
湯がいたほうれん草は氷水に取ります。余熱で入るものを強制的にシャットアウトし、食感を残すことができます。さらに緑の発色も良くなります。5分ほど氷水に浸し、まとめてギュッと水気を絞っておきましょう。
人参は、縦に3mm幅にカットし、重ねてさらに縦に3mm幅の棒状にカットしておきます。
ほうれん草の水気を取っておこう
ほうれん草から出てくる水気を、キッチンペーパーに吸わせておきましょう。この状態でラップをして冷蔵庫に入れておくと、色をキープできたままの状態で保管することができます。
塩を加えよう
油が回ったところで、ふたつまみほどの塩を振りかけます。下味をつけるだけでなく、水分吐き出してくれて、早くにしんなりとしてきます。中火でササっと炒めましょう。
出汁を加えよう
油揚げを加えたらすぐに、今回の出汁を注ぎます。上白糖、和風顆粒出汁、みりん、薄口醤油、水を加えて強火にかけます。
強火にかけ、沸騰したらアクが出てきます。このアクを丁寧にすくいます。アクは食材が持つ苦味やエグ味で美味しさを損なうものです。これを取るのと取らないとでは料理の仕上がりに差が出てしまいます。アクをすくったら、弱火にかけてさらに煮ていきましょう
10分経ったら味見を
弱火で煮て10分経ったら、煮汁を味見してみましょう。足りなければ少し塩を足す程度でOKです。味が決まったら、火を止めて…
平たく言うと油揚げの「おひたし」ですね
信田煮と言っても多岐にわたり、油揚げの中に具材を詰めて煮る料理もあります。今回のレシピは油揚げメインの言わば「おひたし」です。おひたしなので、煮汁に漬け込んでおけば冷蔵庫保存で3〜4日持ちます。ほうれん草は別添えに盛り付けましたが、一緒におひたしの中に浸してもOKです。和食は色を生かすために、別々に仕込んで、盛り付けの時に合わせることがよくあります。時と場合によって仕込み方を変えるわけですね。信田煮は出汁が美味しくとてもヘルシーです。是非とも食のレパートリーに加えてみて下さいね。
洋食調理歴20年。シェフ経験あり調理師免許あり。膝の古傷と向き合い、立ち仕事をセーブ。知識と経験をもとにYouTube「ヒスイ夫婦のすいすいレシピ」を運営中。最近では動画企画や編集、フードに関する記事執筆、企業向けにレシピ考案へお仕事をシフト。「ま、何とかなる」が口グセ。