洋食歴20年の料理人hiroです。今回は「辛子和え」…と言っても辛子の辛い成分がダイレクトにくる訳ではなく、出汁と合わさることでふんわりとしたアクセントとなるもの。青みと油揚げの甘さに辛味を少し加えるだけで、一味違うプラスの風味と化します。覚えていて損はないです。それでは早速作っていきましょう。
ほうれん草の辛子和えの材料(4人分)
具材
ほうれん草 | 2束(正味400g) | |
油揚げ | 1枚(60g) |
調味料
水 | 500mℓ | |
和風顆粒出汁 | 小さじ1 | |
薄口醤油 | 大さじ1.5 | |
みりん | 大さじ2 | |
塩 | 適量 | |
粉唐辛子お湯で溶いておきます | 3gほど |
ほうれん草の辛子和えの作り方(1分動画で早回し解説)
ほうれん草の辛子和えの作り方
たっぷりのお湯に0.5%の塩を!
水洗いしたほうれん草を湯がいていきます。お湯に対し0.5%の塩が理想です。例えば2ℓのお湯で、10gの塩を加えます。ほうれん草に下味がつくだけでなく、発色が良くなります。
沸騰したら、根っこの部分から入れて湯がきましょう。ある程度時間を置いて、葉っぱの部分を沈めます。根っこの部分が葉の部分よりも硬いからです。
葉を沈めたら、サッと湯がく程度でOKです。ボウルに氷水を用意しておきましょう。
サッと湯がいたら、氷水に取ろう!
ほうれん草は湯がキスぎてもダメです。歯応えが残らないどころか、ボロボロになり溶けてしまうからです。葉物はサッと湯がいて歯応えを残すという意識があると良いでしょう。氷水に沈めると、余熱で入ってしまうのを完全にシャットアウト。ほうれん草の発色も良くなり、色止めにもなります。
今回の漬け地に塩は必須です!
合わせた漬け地に塩をふたつまみほど加えます。ここまで見ると「あ、おひたしと同じなのね」とお分かりいただけた方もいらっしゃるかと思います。ほうれん草と、油揚げの甘さがプラスされるので、少し強めの塩を加えておくことで良い塩梅となります。
粉辛子はオススメです
今回は粉からしを使います。パウダーとお湯でとくだけで辛子が作れます。チューブがあるのならそれでも代用可能です。3gほど用意しておきましょう。辛いのがお好きな方は5gと増量しても良いです。
刻んだ油揚げは一緒にしておきましょう。
まとめて根っこ部分を除去し、5cm幅にカットしておきます。
キッチンペーパーにとっておこう
バットにキッチンペーパーを敷き、カットしたほうれん草を並べ、さらに水分をとっておきます。水分を多く含みすぎると、今度は味がぼけてしまうからです。こういったひと手間も料理を美味しくする秘訣です。
沸騰したら一度必ず味見しよう
漬け地が沸騰したら、弱火にかけて3分ほど煮ましょう。一度味見してみます。ちょっとしょっぱいかなというくらいがベストです。
味が決まったら…
味が決まったら、氷水の上で漬け地を冷まします。完全に冷まさないと、これに辛子を合わせても、辛子の風味が飛んでしまうからです。
辛子が溶けたら、油揚げごと全ての煮汁を器に流して…
水気を取っておいたほうれん草を、漬け地に沈めます。
落としラップをして、味を含ませよう
ラップを食材に一枚落として、空気を抜くように押し込みます。これを「落としラップ」と言って、ゆっくりと味を含ませる調理法です。その上にさらにラップをして冷蔵庫に一晩寝かせます。翌朝から美味しく食べられますよ。
漬け地に漬けておくことで、保存も効きます。
必要な分だけお皿に盛り付けましょう。漬け地に食材を漬けておくことで、味が染み込むだけでなく、保存も効くようになり、冷蔵庫保存で3〜4日楽しめます。先人の知恵ですね。塩でボイルしたほうれん草が色鮮やかで、油揚げの甘さと、ほん海苔とした辛子の辛味が融合して、面白いお浸しに生まれ変わります。京都のおばんざいに、「畑菜の辛子和え」という料理があるんですが、畑菜と油揚げ、辛子はセット。これもまた出汁まで美味しい料理です。今回のレシピ、是非食のレパートリーに加えてみて下さいね。
洋食調理歴20年。シェフ経験あり調理師免許あり。膝の古傷と向き合い、立ち仕事をセーブ。知識と経験をもとにYouTube「ヒスイ夫婦のすいすいレシピ」を運営中。最近では動画企画や編集、フードに関する記事執筆、企業向けにレシピ考案へお仕事をシフト。「ま、何とかなる」が口グセ。