このページでは、暮らしのレシピになる様々な情報を掲載。読者や編集部員の質問「イージーファイバーみたいな粉の食物繊維でも摂らないよりマシですか?野菜じゃなくて粉の食物繊維だけでもいい?」に、ズバッと結論から回答しています。
粉タイプの食物繊維でも摂らないよりマシですか?
粉タイプの食物繊維も、その成分により野菜と同様に消化器系の健康に貢献することがあります。野菜に含まれる食物繊維と全く同じとは言えませんが、摂らないよりはよい選択肢と言えるでしょう!
食物繊維は、一日の目標量は18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。結構たいへんな量なのですが、イージーファイバー等の粉タイプは一包あたり5gくらいの食物繊維相当量を取ることができるので、とてもありがたいですよね。
以下にあげる、野菜に含まれる食物繊維と粉タイプの食物繊維との違いを理解し、上手に活用しましょう。
1.栄養成分が違うことを理解しよう
野菜に含まれる食物繊維は、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質などと共に摂取されることが一般的です。これらの栄養素は全体的な健康に対してプラスの効果をもたらします。
一方、粉タイプの食物繊維は、これらの栄養素を一緒に提供することが少なく、食物繊維の機能のみを強調した製品が多いため、栄養価が異なります。
そのため、「イージーファイバーで食物繊維を補給してるから、野菜はいいや」という判断をしてしまうと、よくないです。野菜に含まれる微量栄養素が足りなくなり、美容や健康へのデメリットが生じるケースがあります。
2.食物繊維の種類の違いも理解しよう
野菜にはさまざまな種類の食物繊維が含まれており、それぞれの特性に応じた健康効果があります。一方、粉タイプの食物繊維は特定の種類に特化した製品が多く、そのため野菜のように多岐にわたる効果を一度に得ることが難しい場合があります。
具体的には、粉タイプの食物繊維や、食物繊維が入っていると謳う市販品や加工食品には、「難消性デキストリン」が入っていると思います。
難消性デキストリンも決して悪いものではないのですが、その特性を理解しておくとよいでしょう。
難消性デキストリンでも体にいい効果はありますか?
はい!難消化性デキストリンは、水溶性の食物繊維の一種で、一般的なデキストリンを特別な方法で処理して作られます。その名の通り、人間の消化酵素によって容易に分解されず、食物繊維としての特性を持っています。以下は難消化性デキストリンが体にもたらすいくつかの効果です。
1.血糖値の上昇抑制
難消化性デキストリンの摂取は、食事後の血糖値の上昇を緩やかにすることが研究によって示されています。これは、糖質の吸収速度を遅らせるため、糖尿病予防やコントロールに役立つ可能性があります。
2.脂質代謝の改善
一部の研究では、難消化性デキストリンが食事後のトリグリセリドの上昇を抑制する効果があるとされています。これにより、血中脂質の管理が改善される可能性があります。
3.便秘解消
難消化性デキストリンは、水溶性食物繊維であるため、腸内で水分を保持します。これが便の軟化を促し、便通を改善する助けとなることがあります。
4.食後の満腹感の促進
食物繊維として働く難消化性デキストリンは、胃の中でふくらむ性質があります。このため、満腹感を早く感じさせ、過食を抑制する助けとなることが期待されます。
難消性デキストリンのデメリットはありますか?
難消化性デキストリンは健康に対して多くの利点を持つ一方で、一部の人々にとっては以下のようなデメリットや副作用が生じる可能性があります。
1.消化器系の不調
難消化性デキストリンの過剰な摂取は、一部の人々においてガス、膨満感、下痢などの消化器系の不調を引き起こす可能性があります。特に、急激に摂取量を増やした場合にこのような症状が現れることがあるため、徐々に摂取量を増やすことが推奨されます。
2.栄養素の吸収の妨げ
極端な高摂取は、一部のミネラルの吸収を阻害することがあるとされています。食物繊維は一般にミネラルと結合しやすい性質を持つため、バランスの取れた食事と共に適量で摂取することが重要です。
3.製品選びの誤解を招く
難消化性デキストリンが添加された製品は、「健康に良い」との印象を与えることがあるため、他の成分への注意が薄れることがあります。
例えば、高カロリーな甘い飲料に含まれている場合でも、食物繊維が含まれていることにより健康飲料と誤認されることがあるかもしれません。メーカーのマーケティングに惑わされないようにしましょう。
難消化性デキストリンの過剰な摂取というのは、1日に何gくらいのことを指しますか?
難消化性デキストリンの過剰摂取に関連する具体的な量についての一般的なガイドラインは明確に定義されていないことが多いです。これは、個人の体重、年齢、性別、健康状態、他の食事内容などによって適切な量が変動するためです。
一部の研究や製品の推奨摂取量を参考にすると、難消化性デキストリンの1日の摂取量は通常5gから15gの範囲で推奨されることがあります。この範囲内であれば、多くの人々においては副作用のリスクは低いとされています。
20g以上の摂取になると、一部の人々では消化器系の不調や他の副作用が現れる可能性があるといわれています。しかし、これはあくまで一般的な目安であり、個人によって異なる反応がある可能性があります。
過剰摂取を避けるためには、個人の健康状態や栄養ニーズに応じた摂取量の設定が重要です。特に、医療的な必要性がある場合や、難消化性デキストリンを積極的に摂取する目的がある場合は、医師や登録栄養士などの専門家と相談して、個別に最適な摂取量を決定するのが最良でしょう。
食事から食物繊維を摂りたい場合のおすすめ食材は?
食物繊維を豊富に含む食材を摂取することは、健康の促進にとって重要です!以下は、食物繊維を豊富に含む食材と、それぞれの100gあたりの食物繊維量、さらにレシピ例を表示しました。ぜひ役立ててくださいね。
1. 大麦
- 食物繊維量: 15.6g/100g
- 調理例: 大麦を入れたスープやサラダ、麦ごはん
#1 大麦と野菜の豆乳スープ
鶏もも肉、ベーコン(スライス)、オリーブオイル、玉ねぎ、セロリ、ねぎ、にんじん、しめじ、豆乳、等
大麦を活用したスープのレシピ。優しい味わいの豆乳スープに大麦を入れることで、プチプチ食感を楽しめます。…
レシピを見る#2 ひじきと大麦のサラダ
長ひじき(乾燥)、押し麦(乾燥)、ミニトマト、紫玉ねぎ、さやいんげん、しょうゆ、米酢、砂糖、ごま油、等
食物繊維が摂れるサラダのレシピ。長ひじきと押し麦、野菜などを、合わせた調味料と混ぜ合わせたサラダです。…
レシピを見る2. オートミール
- 食物繊維量: 10.6g/100g
- 調理例: オートミールを使用した朝食のホットシリアル、スムージー
#1 デーツときなこのオートミールマフィン
オートミール、無調整豆乳、溶き卵、きなこ、ラカント、ベーキングパウダー、デーツ、オリーブオイル
ダイエット中におすすめな、オートミールを使ったマフィンのレシピ。混ぜてカップに注ぐだけ。…
レシピを見る#2 カニカマ高菜のオートミールチャーハン
オートミール、高菜漬け、溶き卵、カニカマ、しいたけ、ごま油、醤油、こしょう
オートミールとカニカマを使った、主食になるチャーハンのレシピ。高菜の歯応えが食感のアクセントになっています。…
レシピを見る3. ひじき
- 食物繊維量: 43.3g/100g
- 調理例: ひじきの煮物、サラダ
#1 基本の「ひじきサラダ」のレシピ!作り置きに便利!冷蔵庫にあると嬉しい一品
乾燥ひじき、ツナ缶、玉ねぎ、ミックスビーンズ、冷凍枝豆、マヨネーズ、上白糖、ごま油、濃口醤油、等
ひじきを使った、ひじきサラダのレシピ。ひじきを戻し、ツナ缶や玉ねぎ、ミックスビーンズ、冷凍枝豆を用意します。…
レシピを見る#2 忙しい日にぴったり!ツナとひじきの炊き込みご飯
乾燥ひじき、人参、きのこ、ツナ缶、油揚げ、醤油、みりん、顆粒だし
ツナとひじきの炊き込みご飯のレシピ。浸水したお米に、酒、醤油、みりん、顆粒だしを加えて炊飯器で炊きます。…
レシピを見る4. チアシード
- 食物繊維量: 34.4g/100g
- 調理例: チアシード入りスムージー、デザート
#1 チアシードの美肌ガスパチョ
トマトジュース、コンソメスープ、トマト、黄パプリカ、紫玉ネギ、キュウリ、ニンニク、チアシード、オリーブ油、等
このレシピはトマトジュースやトマト、黄パプリカ、紫玉ネギ、キュウリなどの野菜を使った美肌ガスパチョです。チアシードを加えることで、スープのトロミが出て美味しく仕上がります。…
レシピを見る#2 つぶつぶ感がたまらない! チアシードヨーグルト
チアシード
このレシピはチアシードを使ったヨーグルト料理です。いつものヨーグルトに一手間加えるだけで、楽しい食感と健康効果を味わうことができます。…
レシピを見る5. インゲン豆
- 食物繊維量: 7.6g/100g
- 調理例: インゲン豆の炒め物、サラダ
#1 豚肉と白いんげん豆の煮込み
豚肩ロース肉(塊)、玉ねぎ、セロリ、にんにく、白いんげん豆(缶詰)、オリーブ油、ローズマリー、ローリエ、コンソメの素、等
豚ロース塊肉の煮込み料理のレシピ。いたってシンプルな具材をじっくり煮込むことで肉と野菜のうま味を十分に引き出します。…
レシピを見る#2 オイルサーディンと赤いんげん豆のオニオン和風マリネ
オイルサーディン、赤いんげん豆の水煮、新玉ねぎ、グリンリーフ、オリーブオイル
赤いんげん豆の食感がアクセントの和風マリネのレシピ。赤いんげん豆は水煮タイプのものを使用することで、そのまま加えられて調理が簡単です。…
レシピを見る6. キウイフルーツ
- 食物繊維量: 3g/100g
- 調理例: そのまま食べる、フルーツサラダ
#1 えびとキウイのサラダラップ
トルティーヤ、黄パプリカ、ルッコラ、サニーレタス、スプラウト(ブロッコリー)、キウイフルーツ、ゆでえび(小)、キユーピーハーフ
キウイが決め手の、片手で食べられるサラダのレシピ。えびのうま味、パプリカの甘み、キウイの酸味とマヨネーズのコクがマッチして葉野菜まで美味しくなります。…
レシピを見る#2 キウイ&きゅうりおろしドレッシングの2種のサラダ
キウイフルーツ、きゅうり、オリーブオイル、キウイ&きゅうりおろしドレッシング、ミックスカット野菜、グレープフルーツ、わかめ(乾燥してカットしてあるもの)、ほたて(刺身用)、グレープフルーツ、等
キウイときゅうりの手作りドレッシングでいただくサラダのレシピ。「カット野菜とグレープフルーツ」「シーフードとグレープフルーツとオレンジ」の2種を紹介しています。…
レシピを見る7. ごぼう
- 食物繊維量: 5.3g/100g
- 調理例: ごぼうサラダ、きんぴらごぼう
#1 ごぼうとチキンのクリームペンネ
ごぼう、にんにく、鶏もも肉、オリーブオイル、生クリーム、こしょう
このレシピは、ごぼうとチキンのクリームペンネのレシピです。ごぼうをカットし、にんにくを潰し、鶏もも肉をカットし、オリーブオイルを使って炒めるという手順で作ります。…
レシピを見る#2 ボイル加減とドレッシングが決め手!歯ごたえが丁度良い基本の「ごぼうとにんじんのサラダ」
洗いごぼう、人参、白ごま、上白糖、味噌、濃口醤油、マヨネーズ、上白糖、米酢、等
洗いごぼうと人参をボイルしながら下味を付け、柔らかく歯応えのあるごぼうサラダに。白ごまと味噌で風味をプラスし、ごぼうとマッチしたドレッシングを作ります。…
レシピを見る8. りんご
- 食物繊維量: 2.4g/100g
- 調理例: そのまま食べる、りんごジュース
#1 りんごジュースとパウンド型で「フレッシュ林檎の寒天寄せ」
100%りんごジュース、りんご、粉寒天、レモンジュース、メイプルシロップ
フレッシュ林檎を使った、寒天寄せのレシピ。りんごジュースやメイプルシロップで作る寒天ベースに、ダイスカットした林檎を加えて固めます。…
レシピを見る#2 電子レンジで簡単!りんごとレーズンのジャム
りんご、砂糖、レーズン、レモン汁
りんごとレーズンを使った、電子レンジで簡単に作れるジャムのレシピ。りんごを薄くスライスし、レーズンはお湯に浸して柔らかくします。…
レシピを見るこれらの食材は、さまざまな調理法で楽しめるため、食物繊維を効果的に摂取することができます。食物繊維の摂取量を増やすためには、これらの食材を日々の食事に取り入れると良いでしょう。
食材の組み合わせや調理法を変えることで、飽きずに続けることが可能です。
今回のテーマに関連する論文・文献
Indigestible dextrin | Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.
https://www.otsuka.co.jp/en/health-and-illness/fiber/about/type/dextrin/