このページでは、暮らしのレシピになる様々な情報を掲載。読者や編集部員の質問「ちょっと食事しただけで体重1キロ増えました。絶対1キロも食べ物食べてません。物理法則を無視していませんか?なぜでしょうか?」に、ズバッと結論から回答しています。

絶対1キロも食べ物食べてませんが、なぜ体重は1キロ増えたのでしょうか?
体重が急に1キロ増加したと感じることや、たしかに1キロも食べ物を摂取していないはずであると感じることは、ありますよね。消化中とはいえその物質は増えたり減ったりしませんから、不思議に思うこともあるはず。
しかし、それは食事による影響だけでは説明できません。多くの要因が絡み合ってこの現象が起きています。食べた食物の重量だけではなく、水分摂取、塩分の影響、グリコーゲンの量など、多岐にわたる要素によって引き起こされます。
以下に3点に絞って、体重増減の可能性を考えてみましょう!
1. 水分の摂取
水分の摂取は体重の変動に大きく寄与します。人間の体は約60%が水分で構成されており、1日に必要な水分摂取量は一般的に約2リットルとされています。
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飲料による摂取: 食事中に摂取する飲み物はもちろん、スープなどの液体食品も体重に直接影響します。例えば、500mlの飲み物を摂取した場合、体重も約500g増加することになります。
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食物からの水分: また、食物自体にも水分が含まれています。野菜や果物には90%以上の水分が含まれていることもあります。この水分も体重にカウントされるため、無視することはできません。
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一時的な変動の理解: 水分摂取による体重変動は一時的なものであり、排泄や発汗などによって体外に排出されます。そのため、水分摂取による体重の変動は、健康管理上の問題とはなりませんが、理解しておくことが重要です。
2. 塩分と体液のバランス
塩分は体液のバランスに大きく関与します。塩分の摂取が多いと、体が一時的に水分を保持しやすくなります。
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塩分の作用: 塩分は細胞間の水分バランスを調整する役割があります。摂取量が多いと、細胞外の塩分濃度が上昇し、細胞に水分が引き寄せられるため、体液の一時的な増加を引き起こします。
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塩分による体重増加の例: 例えば、塩分の多い食事を摂った後、翌日の体重が増加していると感じることがあります。これは塩分による水分の一時的な保持が原因である可能性があります。
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健康への影響: 長期的に塩分の摂取が多いと、高血圧などの健康問題を引き起こす可能性があるため、適切な塩分摂取が推奨されます。また、体重の変動に対しても理解を深め、適切に対処することが重要です。
以上のように、水分の摂取と塩分と体液のバランスは、体重の一時的な増減に影響を与える主要な要因です。これらの要素を理解し、健康的な飲食習慣を築くことで、より適切な体重管理が可能になるでしょう。
3. グリコーゲンと水分の結合
体内のエネルギー貯蔵物質であるグリコーゲンは、体重増加の要因の一つとなることがあります。特に、最近ご飯を食べていなかったなどで、体内の貯蔵庫から糖質(≒グリコーゲン)が枯渇していた場合、新しく糖質を貯蔵しようとします。
その歳、グリコーゲン1gに対し水3-4gを結合するので、その水分保持によって体重が急に増加したように見えることがあります。
具体的には、糖質を摂取した場合、以下のような現象が起こります。
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グリコーゲンの再生産: 糖質を摂取すると、体内でグリコーゲンが再生産されます。これは、主に肝臓と筋肉で行われる作業で、糖質経由のエネルギーの貯蔵を担っています。
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水分の保持: グリコーゲンが蓄えられる際、その分子に水分が結びつきます。1グラムのグリコーゲンに対して、約3〜4グラムの水が結合するとされています。このため、グリコーゲンの蓄積が増加すると、それに伴って体内の水分も増加し、体重の増加を引き起こすことがあります。
- 体重の増加: グリコーゲンは、男性で500g、女性で380gほどを貯蔵するそうです。また、グリコーゲン1gにつき3-4gの水分が結びつくため、もともとグリコーゲンが空っぽだった場合は、男性で2キロ、女性で1.5キロほどが、急激に思える体重増加に結びつきます。
対処法は?
体重の1キロ増加には、食べ物の重量、水分摂取、塩分の影響、消化の進行具合、時間帯による体重の変動、そしてグリコーゲンと水分の結合など、多岐にわたる要素が関係しています。
健康的な体重管理には、これらの要素を理解し、適切な測定と長期的な視点が必要です。一時的な変動にとらわれず、バランスの取れた食生活と適切な運動を心がけることで、より健康的な生活を追求できるでしょう。

では、ただちに脂肪が増えたわけではない、ということですね?
はい、その通りです。食事をした直後に体重が1キロ増えたとしても、それはただちに脂肪が増えたわけではありません。
脂肪の増加は、摂取したカロリーが消費カロリーを上回った場合に、長期的に起こる現象です。一方、食後すぐの体重増加は以下のような要因によるものであることが一般的です。
- 食べ物の重量: 食べ物自体の重さがそのまま体重に加算されます。
- 水分の摂取: 飲料や食物に含まれる水分が体重増加に寄与します。
- 塩分と体液のバランス: 食塩が多い食事は、一時的に体内の水分を保持しやすくするため体重増加の一因となります。
- グリコーゲンと水分の結合: グリコーゲンが再生産され、それに結びつく水分も増加することで体重が増えることがあります。
これらの要素は一時的で、基礎代謝や運動によって消費されるエネルギーとバランスしている限り、長期的な体重増加や脂肪の蓄積にはつながりません。
したがって、食後すぐの体重の変動を過度に気にせず、バランスの取れた食生活と適切な運動により、長期的な視点での健康管理を心がけることが重要です。
今回のテーマに関連する論文・文献
以下は、今回のテーマに関連する論文や参考文献の例です。これらの文献は、水分と体重、塩分と体液のバランス、およびグリコーゲンとエネルギー代謝に関する研究を提供しています。
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水分摂取に関する研究:
- Popkin, B. M., D’Anci, K. E., & Rosenberg, I. H. (2010). Water, hydration, and health. Nutrition Reviews, 68(8), 439-458.
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塩分と体液バランスについて:
- He, F. J., & MacGregor, G. A. (2009). A comprehensive review on salt and health and current experience of worldwide salt reduction programmes. Journal of Human Hypertension, 23(6), 363-384.
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グリコーゲンとエネルギー代謝に関する研究:
- Ørtenblad, N., Westerblad, H., & Nielsen, J. (2013). Muscle glycogen stores and fatigue. The Journal of Physiology, 591(18), 4405-4413.
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食後の体重変動についての総説:
- Levitsky, D. A., & Pacanowski, C. R. (2011). Free will and the obesity epidemic. Public Health Nutrition, 15(1), 126-141.
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体重管理と健康に関するガイドライン:
- World Health Organization. (2003). Diet, Nutrition, and the Prevention of Chronic Diseases: Report of a Joint WHO/FAO Expert Consultation. WHO Technical Report Series 916.