新着記事
  • Q&A
  • 健康と体

Q.ビタミンAの過剰摂取はよくないと聞きましたが、どれくらい摂ると良くないですか?過剰摂取するとどうなりますか?食材で例えるとどれくらいの量ですか?

情報調査隊

このページでは、暮らしのレシピになる様々な情報を掲載。読者や編集部員の質問「ビタミンAの過剰摂取はよくないと聞きましたが、どれくらい摂ると良くないですか?過剰摂取するとどうなりますか?食材で例えるとどれくらいの量ですか?」に、ズバッと結論から回答しています。

Character Image

ビタミンAの過剰摂取はよくないって本当?

ビタミンAの過剰摂取の危険性

ビタミンAは、体内で重要な役割を果たしますが、適切な量を超える摂取は健康に悪影響を及ぼすことがあります。

過剰摂取がどれほど危険で、どれくらいの量が適量であるのか、具体的な食材で例える量について詳しく説明します。

1. ビタミンAとは何か?

ビタミンAは、視力や免疫機能の維持、皮膚や粘膜の健康などに必要な脂溶性ビタミンです。通常、食事からの摂取により体内で必要な量が補給されます。

2. ビタミンAの推奨摂取量と適切な摂取方法

大人の男性であれば1日に約900マイクログラム、女性であれば700マイクログラムが推奨されます。子供や妊婦、授乳中の女性など、年齢や生活状況に応じて必要量は異なります。

適切な摂取方法は、バランスの取れた食事によります。肝臓、魚、乳製品、卵などがビタミンAを豊富に含んでいます。

3. ビタミンAの過剰摂取とその影響

ビタミンAの過剰摂取は、長期間にわたり推奨摂取量を大幅に超えると発生します。

具体的には、大人の男性であれば1日3000マイクログラム以上、女性であれば2500マイクログラム以上を長期間摂取すると危険とされます。

過剰摂取の症状は、頭痛、吐き気、皮膚の乾燥、関節痛などがあります。重度の場合、肝臓への負荷が増加し、骨の異常な成長や、出産に際して胎児への影響も懸念されます。

4. 食材で例えるとどれくらいの量?

ビタミンA過剰摂取に相当する食材の量を例えると、大人の男性で牛レバーなら約75g、大人の女性であれば約65gの摂取が1日の上限となります。

他の食材では、1日に大量の魚油サプリメントを摂る、特定のビタミンA豊富な食品を過剰に摂取するなどが過剰摂取に繋がります。

Character Image

卵、かぼちゃ、人参、マグロなどビタミンAが豊富な食材は、どれくらい摂取するとよくないですか?

ビタミンAが豊富な食材の過剰摂取については、レバー以外はあまり気にしなくてもいいと思います。レバーはとても豊富なビタミンAを含んでおり、すぐに一日の上限に達してしまいますが、他の食材は常識的な範囲であればビタミンA過剰摂取にはなりません。

以下の食材について、大人の男性や女性が1日に過剰摂取にならないような量について解説します。

1. 卵

鶏卵の1個あたりには約140マイクログラムのビタミンAが含まれます。大人の男性であれば約21個、女性であれば約18個が1日の上限となるでしょう。

2. かぼちゃ

かぼちゃにはビタミンAの前駆体であるβ-カロテンが豊富に含まれています。約100gあたりで5600マイクログラムのβ-カロテンがあります。大人の男性で約530g、女性で約430gが1日の上限となるでしょう。

3. 人参

人参もβ-カロテンが豊富で、100gあたりで約8330マイクログラムが含まれています。大人の男性で約360g、女性で約290gが1日の上限となるでしょう。

4. マグロ

マグロの種類によってビタミンAの含有量は異なりますが、一般的な赤身部分には100gあたり約230マイクログラムのビタミンAが含まれています。大人の男性で約13kg、女性で約11kgが1日の上限となるでしょう。

注意点

上記の量はあくまで目安であり、他の食材からのビタミンA摂取量や個人の健康状態によって変わることがあるため注意が必要です。

とはいえ、卵を1日20個も食べる食生活は他にもいろいろ支障がありそうですので、ビタミンA以外のことも気にしたほうが良いかもしれませんね!

今回のテーマに関連する論文・文献

  1. Institute of Medicine (US) Panel on Micronutrients. “Dietary Reference Intakes for Vitamin A, Vitamin K, Arsenic, Boron, Chromium, Copper, Iodine, Iron, Manganese, Molybdenum, Nickel, Silicon, Vanadium, and Zinc.” Washington (DC): National Academies Press (US); 2001. オンラインで閲覧可能

  2. Penniston KL, Tanumihardjo SA. “The acute and chronic toxic effects of vitamin A.” Am J Clin Nutr. 2006;83(2):191-201. doi: 10.1093/ajcn/83.2.191. PubMedへのリンク

  3. Ballew C, Bowman BA, Sowell AL, Gillespie C. “Serum retinol distributions in residents of the United States: third National Health and Nutrition Examination Survey, 1988-1994.” Am J Clin Nutr. 2001;73(3):586-93. doi: 10.1093/ajcn/73.3.586. PubMedへのリンク

  4. Tanumihardjo SA. “Vitamin A: biomarkers of nutrition for development.” Am J Clin Nutr. 2011;94(2):658S-65S. doi: 10.3945/ajcn.110.005777. PubMedへのリンク

健康と体のQ&A記事一覧

Q&Aの新着記事